朝もや

朝、ドアを開けるとビル風に吹き上げられる。寒い。

いつもの時刻だけれど、階下に見えるもやがいつもより薄暗い印象を与える。

遠くを見ると、もやの中を走る車のスモールライトが散らばって、川のように流れている。エレベータを待つ間、じっとそれを見る。

エレベータを降りて車に乗り込むまでは少しの距離だが、ここにも冷たい風が吹いている。雨だというのに。

もしかするともうすぐ大雪が降るのかもしれない。

車に乗り込んでエンジンをかける。たった一晩で車内の空気は凍ったように冷たい。ハンドルを握って顔を上げると朝もやが濃い。

スモールライトをつけ、アクセル一気に踏んで川の流れに乗る。

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