ラジコン

父が息子のために大きなおもちゃを用意してくれていた。黒光りした40cm程もある大きなラジコン・カーだ。父と楽しそうにラジコン・カーで遊ぶ姿を見て、中学時代に友人が持っていたオフロード・ラジコン・カーを思い出した。「Progress」という名前で当時ではものすごい人気があったように憶えている。人気の秘密は 4WS という機構を「Progress」が搭載していたからだ。4WSとは四輪操舵機構の事である。普通、車は前輪操舵であり、後輪は舵取りに使われない。(*)これを後輪も使うようにしたものが4WSである。この機構により通常よりもクイックなコーナリングができるという特徴がある。「Progress」は4WSであり、4WDでもあったので、コーナリングは当時どのオフロード・ラジコン・カーにも負けない速さだった。今では4WSの自動車もあり珍しいものではなくなってしまったけれど、友人が自慢気に披露したパワフルなコーナリングは今でも衝撃として記憶にのこってしまっている。(*1)

さて、昨今はラジコンもホビー的領域を離れて一般の玩具と同じ感覚であるようだ。トイザラスに行くと車や戦車、バイク、飛行機、ヘリコプタなどゲームソフトコーナーに負けない程の陳列棚を埋めている。戦車などは対戦も可能な物もあり、会社の同僚もこれにハマッている。驚いたのは、飛行機やヘリコプターなど、素人には無理だろうという感覚であったものが陳列されていることだ。陳列棚には「零戦や月光を簡単に飛ばせます」というようなビデオが流れている。なっとくなのは離着陸ができないこと。ラジコン飛行機の難しさと美しさは離着陸にあるのだけれど、飛び出しは紙飛行機のように空中に投げる。着陸はほぼクラッシュである。地面落ちても機体が損傷しない素材を使用しているのだ。
そして、極めつけのラジコンを見つけた。潜水艦である。しかも、お風呂で遊べるというもの。「RCサブマリンシリーズNO1」と「ラジコン潜水艦」である。impressのレポートを見るととっても楽しそうである。うーん、これが欲しい。

(*)フォーク・リフトは後輪操舵。これは前輪を中心に回転できるようにすることで、少ない動作でフォークに乗った荷物を扱いやすくするためだ。
(*1)4WSにも2通りある。「Progress」が搭載していたのはコーナリング時に前輪が動いた方向と反対の方向へ後輪が動くものだ。自動車ではホンダのプレリュードが4WSを搭載していた。ホンダの技術は優れもので、速度によって後輪の動きが変わるというものであった。低速時は小回りができるように「Progress」と同じ様に前輪と反対方向に後輪が動く。高速時はコーナリングの安定性を重視して前輪と同じ方向に後輪も動くのである。

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