浦沢直樹氏の描く絵のタッチが気に入っている。ストーリがしっかりしていて読みごたえがあるのも良いと思う。氏の作品の中で特によいと思うのは「MONSTER」である。
医者である主人公が、死ぬはずだった「名前の無い怪物」を助けることから始まる。その後不可解な殺人が頻発する。物語に出てくる複数の殺人は個々に関連が無いように見られている。しかし、そうではなかったのである。(*)主人公は殺人事件が「怪物」による連続殺人であることを知って助けた事を後悔し、怪物を倒すべくその後を追うのである。その中で「怪物」の素性が少しずつ明らかになってゆく。
「怪物」がなぜ登場したかという謎を追いながら主人公の境遇の変化と、考え方の成長をみることができる。また、個々の事件が繋がる理由が興味深い。(*)
全18巻という長編コミックの他に、「ANOTHER MONSTER」という番外編というか解説書がでている。
夏の暑い時期にうってつけの「サスペンス」ものである。
(*)これについては別エントリで書きたい。(なぜ14巻なのか!)