「単一性の原則」と「スケジュール」

企業会計原則の一般原則に「単一性の原則」というのがある。企業会計を表すために作成する各種諸表は、公開する相手にしたがって表現を変えても良い。(*)ただし、それらの元になった帳簿は一つしか認めないというものだ。複式簿記を基礎として確立された方法により、表現方法がじつに細やかに定められシステム化されている。(*1)その思想はとてもシンプルで、データは一つ、そこから導き出され、表現される方法は多様にするということだ。見る人により表現を変える。これはとても理にかなっている。
今、プロジェクトのスケジュールのことを考えている。プロジェクトのメンバにはそれぞれ均等に時間が与えられている。その時間を切って作業を割り当てて行く。この表現方法で線引きをすると、あるメンバがどの成果物に従事し、いつその作業を終え、いつアイドルになるのかを見ることができる。プロジェクト管理者は常に空き時間を探しているものだ。(*2)
さて、プロジェクト管理者が他に気にしなければならないことの一つに、プロジェクトの成果物がいつリリースできるかということがある。成果物は複数のメンバが行う同時進行や順次進行の作業によって生まれる。そこで、メンバの作業開始時刻と作業時間を計算して成果物を串に線引きして行けば、成果物がいつリリースできるかという表現ができる。
つまるところスケジュールについても「成果物」「メンバ」「作業」「時間」といった共有できるエンティティを定義し、それぞれのインスタンスを記録しておくことで目的に沿ったスケジュール表現が可能である。(*3)

(*)各種諸表とひっくるめて述べているが、公表する相手(目的)により法令があり、表現方法は規制される。
(*1)だから、企業会計はソフトウェア化しやすい。しかし、目新しい機能を見出すことはほとんどない。
(*2)いつも見た目に飽和状態なので、じつは探したことがない。:-)
(*3)つまり、、Excelにいくつもスケジュール作成するのは止めようよということ。(^^;

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